代表理事あいさつ
代表理事挨拶
公益財団法人山﨑自然科学教育振興会は令和6年度に設立40周年を迎え、これまでの静岡県内理数教育振興に対して高い評価をいただいてきました。このような時期に代表理事を務めることになり、大きな責任を感じています。
ご承知のように当財団は、設立以降、「自然科学分野の研究への助成事業」「研究成果への顕彰事業」及び「科学教室、講師派遣、研修会支援などの啓発事業」の3つを柱として事業を展開してまいりました。これらの柱は今後も変わらず推進していく所存ではありますが、一方で、科学技術を巡る社会環境の変化や、学校教育における理科・数学・技術科に求められる学習内容の変化、さらに教員の労働環境の変化など、財団はこれら多くの変化にも応えていかなければならないと考えています。
具体的には、たとえば理科教員の多忙化に伴う研修機会の減少が挙げられます。以前は公的研修だけでなく有志によるインフォーマルな研究会が県内各地に存在しました。それらの活動が減少する中、当財団がどのように貢献できるのか、また、持続可能な社会の構築に向けて科学・技術や理科教育の果たす役割は大きく、財団の「助成事業」や「顕彰事業」のあり方も再検討の必要はないかなど、対応すべき事柄は多く存在します。
それ以外にも、財団事業のIT化の推進や、各種事業への学校の関与のあり方など、検討すべき事項が多くあります。当財団の持続可能性を見据え、学校や社会のニーズに応える運営に今後取り組んでまいりますが、40周年を経た現在は、一つの区切りとしてその好機であると考えます。
当財団の財政基盤を作ったTDK株式会社2代目社長の山﨑貞一氏の、県内の理科教育振興と有能な科学者・技術者養成という願い・期待に応えるべく、今後も未来を見据えて活動を展開してまいります。皆さまには、引き続き理解と多大な支援を賜れますようお願い申し上げます。
令和7年10月1日 代表理事 丹沢哲郎